Tuesday 10 May 2011

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2011 C-34c: 月に憑かれたピエロ op.21

この公演を無理やり一言でまとめてしまうなら、センセーションがふさわしい。冒頭、シルエットから見て取れる身体のモーションを見た瞬間に鳥肌が立った。ダンスが音楽と対等に存在し、あたかも第8,9の「声部」のような親和性をもって音楽と融け合って存在することが冒頭の一瞬で示された。第3部へ向けて緊張感と集中を高めていく全体構成もまさに圧巻で、第3部の持続的な緊迫感が特に強く印象に残った。


参考:ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2011

日時:2011年5月5日
会場:東京国際フォーラム ホールC

勅使河原三郎 [ダンス]
佐東利穂子 [ダンス]
マリアンヌ・プスール[ソプラノ]
サンガー・ナー[フルート/ピッコロ]
インヒョク・チョウ[クラリネット/バスクラリネット]
ギョーム・シレム[ヴァイオリン/ヴィオラ]
ジュリアン・ラズニャック[チェロ]
フローラン・ボファール[ピアノ]


Friday 18 February 2011

「キース・ジャレットのソロコンサート」とは何か。

Keith Jarrett Solo 2011

2011年5月、およそ3年ぶりにキース・ジャレットが来日する。プロフィール等については他サイトを参照してもらうとして、このエントリーでは、彼のソロコンサートという体験が如何なるものか、語ってみたい。

これにはそれなりに理由がある。今年1月16日カーネギーホールで彼のソロコンサートを聴いた。音楽自体は素晴らしいものであったが、コンサート全体としては微妙な経験になった。

Keith Jarrett Returns to Carnegie Hall - Review - NYTimes.com

じつは以前に日本でも似たような事件があり、私自身としてはその時の記憶が鮮明によみがえってきた。その後ずっと考えていたのだ。なぜこんなことになってしまったのか。思い至る原因はいくつがあるが、その中でもっとも気になった懸念は「聴衆側が彼のソロコンサートがいかなるものか、理解出来ていないのではないか」というものだった。

そこで、今回の来日に合わせて、何でもいいから何かできることをしようと思い立ち、このエントリーを書き起こした。いろいろな意見があって構わないと思うが、このエントリーが彼のソロコンサートを深く理解する上で一助になれば、目的は達せられたことになるだろう。